耐心力:川島永嗣(ちょっと引用させてもらった)

 今日は失調した。周りが先回りし、掃除をしないといけない順番で回れず、飛ばし戻りを頻繁にすることを余儀なくされ、最後は腹が立ってしまった。怒りというのか。
 最後の共用の男トイレで便器の周りに小便の水たまりができていた。これで腹を立てると思ってわざとしたのだと思うけれど、逆に冷めた。小学生みたいなことやってと思った。前の手芸作業所で散々されたので何とも思わない。静かな怒りは感じたけれど、平静に戻っていった。
 しかし作業スピードは遅く、時間がかかってしまった。ペイパータオル在庫が切れていたけれど、ある分で(トイレ個室の棚にストックしてある。そこに使った分を補充する。) ケースに補充(ペーパータオルをまとめて入れて下から引っ張って使う)すればよかったけれど、飛ばしてトイレットペーパーだけやっていた。僕自身、小学生の仕事だった。

・作業していて、前進した。いままで腰が引けて作業していたのだけれど、肩を空間に入れる、空間に自分を肩から入れて存在させる、詰めるという感覚(よく詰め所と言うが、あれは男がいることで仕事をしているという意味で、ただボヤッとしているのではない、存在という四方に目配せして仕事をしている)で、空間に自分の存在をはめ込んでいつでもスタンバイしているという感覚をつかんだ。

・耐心力、川島永嗣幻冬舎、2018年
引用の前に説明:川島氏は移籍先を探していた。無職で仕事に就けるとオランダに車で行ったが断られる。その帰り道、ベルギーへの高速道路での車の運転をしていて、抜かされたり、川島氏より遅い車を追い抜いたりする。状態としては宙ぶらりんだけれど、冷めて明晰だったんだと思う(kurage0147130の意訳で、間違い多数かもしれない、そこは勘弁)

p84~85
引用:「
 よく「ガソリンがなければ走れない」と言うけれど、同じくらい根本的なことがある。
 人間がアクセルを踏まなければ車は動かないし、人間が右に行こうと思うから車は右に向く。人間が速く走らせようとするから車は速く走る。速く走ることも、ゆっくり走ることも、右に行くことも左に行くことも、すべて車の意志ではなく、人間の意志に左右される。
 「世の中、すべてそうなんだ」
 車を運転しながらふと湧いた疑問は、そんな結論にたどり着いた。つまり、この瞬間、自分がベルギーにいる理由は”自分”にしかない。
 もちろん、”いま”に限定された話じゃない。自分が何を考えているか、どんな意志を持っているかで、”未来”に起こることは間違いなく変わる。
 それだ。それしかない。自分が本当にやりたいこと、自分なりの成功のイメージをはっきり持って進んでいけば、なりたい自分になれる。


kurage0147130:
 いやあ、いい文章ですね。サッカー選手じゃないみたい。施設での僕は苦しい。それでこの本を手にとった。アマゾンレコメンドだった。表紙に、重圧をコントロールする術・すべ がある、と書いてあったので飛びついた。単純な理由だったけれど、この文章に出会っただけでも良かったと言える。この人2枚目だねえ。男なので、興味はないけれど。
 僕ももう少し、将来やなりたい自分をイメージするといい、と思った。こういうのすごく大事だと思う。
 女と結婚して、養子を貰うかして、なれればいいねえ。