川島永嗣6:武器とするには長所を伸ばす。

川島永嗣、準備する力、角川文庫

引用:p140~
自分のできないことにコンプレックスを持たない
 自分の光っている部分を再評価してみる

「 
 チームには、イタリア代表キャップも持っていて後にナポリの正キーパーとなる、モルガン・デ・サンクティスがいた。彼のプレーは半端ではなかった。そして練習でも、彼はひたすらパワー系のトレーニングをやっていた。自分の長所、すなわちセールスポイントのパワーを徹底的に磨いていた。その姿を見た時に、ふと自分に置き換えてみた。
「僕の長所がパワーなら、僕もパワーで勝負してもいいんじゃないか。楢さんの正確で安定性のあるプレーを追っていても、いつまでたっても、それは楢さんの長所で、僕の武器にはならない」
 自分の光っている部分を伸ばしつつ足りない部分は補っていけばいい。僕は追い求めるスタイルを変えることを決意した。自分の長所を再評価して練習のテーマをガラッと変えたのである。僕は、このウディネーゼでの体験をきっかけにして、楢さんに比べ「自分ができないこと」に対してコンプレックスを持たなくなった。逆に自分の強いところで勝負しようと思えるようになった。~

kurage0147130:引用者:
 この話、よくある話なのだけれど、テーマが前から気になっていた長所を伸ばすか短所を修正するかの話だ。僕は、前の作業所ではテーラー氏の背中を追った。テーラー氏はミシンが得意で全力でミシンを踏んでいた。そしていろいろなものを作るのだった。会社の大黒柱として活躍されていた。僕はこのテーラー氏の背中を見ていた。
 でもこの引用にもあるように、僕の長所を伸ばすほうがいいのではないのか。足りない部分は良く見える、アラは気になるしつつきたくなる。でも、いくら短所を伸ばそうと躍起になっても短所なのだからそんなに伸びない。良いところに目をやって、良いところを伸ばした方がいいのではないのか。
 手芸作業所ではなく清掃施設。歌も感情表現を伸ばして、リズム音程は二の次、楽器演奏も後回し。感覚を伸ばすことに専念し、論理や理屈の部分は憧れを持ってはいても追い求めない。僕も晩年になってきたので長所を伸ばした方がいいのではないのか。僕にも強みはある。手を抜かないとか。面倒な手順も必ず最後までやり遂げられる。(清掃での単純なものだが)
 テーマを絞って専念しないと輪郭がぼやけ、行く先も見えないし、時間ばかり流れる。川島氏の本を読んでいることだし、ここはいい機会として、長所を伸ばす戦略に切り替えたほうがいいのかもしれない。