経年53歳 と向き合い切れていない。

 客注の着物をやるように言われ、取り組んだ。男として取り組み、着物はherとして扱った。そうしないと、力・りき んで穴を開ける可能性がある。着物が男だと、攻撃的になりすぎて糞とやってしまうと思い、防衛策だった。

 そのうちボスから、客注は途中だったが、僕がこの間穴を開けたテーラーSG氏が仕立てた婦人服の袖を取るようにと指示を出された。この間は穴を開けたけれど、出来た服に穴を開けるわけにはいかない。ほどく長さ的には大したことはないけれど、細かくミシンで縫われていたので気を使った。男として取り組み、女である服に挑んだ。何とか無事終えた。

 元の客注に戻った。これが結構難しく、糸が絹糸なのか切り辛く、袖下のところが一点にとめてある糸が切断が難しく、裏側からやったり、少しゆるんだら引っ掛けて切ったり、穴を開けないようなあの手この手をを繰り出して片袖だけ成功した。まだもう片方残っている。結構難しく明日も気合を入れないと大変だ。難易度が高い。

 皿を洗っていると、自分の性的な存在ということが、自分自身にクローズアップされ集中力が落ちた。終わって客注ですが、皿も男として取り組み、皿はherとして扱った。同じようにやりたいと思ったが、あまりにそのやり方をやったせいか、若い女が気になりそうになった。同じ手をいつまでも引きずるのは嫌だったので、逃げていた経年53歳という自分にとってのヘヴィーな事実を正面から向き合おうとした。経年53歳ということは、若い女の線は当然消滅します。中年女性がターゲットになります。作業所の女でなくてもいいですが。
 自分が年を取り、若くもなく、これからどうやって物事に取り組み、仕事に取り組んだらいいか向き合わないといけない。まだよく向き合っていない。これからもこの経年53歳と向き合って、答えを出していかないといけない。