ヤギ山羊スケープゴート


 全面戦争だなどと、ぶちあげましたが僕は生贄のヤギのようでした。

 自分では全面戦争だと調子に乗っていると、熱血女性がせんべいをバシッと置いていきました。それを境に僕はその気でいても、周りは僕のことを生贄のヤギのように、か弱く、みんなでいたぶることのできる玩具、スケープゴートととして捉えているのが、肌身で感じました。それは、僕の調子が落ちていたのに自分で気づかず、一人で粋がっていて、周りが攻め込みたいと考えている、という状況でした。

 僕は自分のこの状態を冷めた目で見ていることから気づきました。全面戦争は吹っ飛び、僕は冷めた目で周りがたんなる生贄のヤギと見ているそのシチュエーションに血の気が引くように目を覚ました。ものすごい僕は馬鹿でした。単なる弱い存在として皆の前に横たわっていた。周りは僕の首をとり祭壇に供えるサクリファイスとして扱おうと考えている所だった。ミイラ取りがミイラとなっていた。僕の調子が変わってしまっていた。

 ヤギの歴史を僕は体現しようとしていた。ずっと続いてきた歴史。屠られる・ほふられる 存在として。