発達性トラウマ:その癒しのプロセス、星和書店 引用あり(地図)

発達性トラウマ:その癒しのプロセス、ローレンス・ヘラー/アリーン・ラピエール、星和書店、2021

パートB つながりのためのサバイバル・スタイル

 第10章 解決への動き
p278~
引用:
  変化の逆説

 NARMでは、自分を変えようとすればするほど、変化が起きるのを妨げてしまう、と断言する。一方で、ありのままの自分を十分に味わうことを自分に許せば許すほど、変化の可能性は大きくなる。この理解がNARM
の核にある。方向性は、どうなってほしいかよりも、むしろ今のありのままをワークすることである。この視点は、今この瞬間への焦点と一致している。というのは、自分自身を十分に体験できるのは、今この瞬間だけだからである。

←引用終了

引用者:kurage0147130:僕は焦って、変化を起こそうと前のめりになったりする。でもここを読んで、今の自分に焦点を合わせることの大事さがハッキリ書かれている。変化の自分を期待するより、今のありのままに忠実であろうとするほうが得策らしい。と思った。


P279~
  エイジェンシィとエンパワーメント
引用:
~例えば、他の人の怒りにおびえて反応するクライアントは、こう言うかもしれない。

 「怒りは、私には本当に恐いものです。というのは、パパはひどい怒り中毒でしたから」

 このクライアントの父が「怒り中毒」だったという事実は、全体像の一部分にすぎない。このクライアントの怒りへの怖れは、この発言が意味するものよりもっと複雑である。~~人をこども時代の犠牲者のように感じさせてしまうかもしれない。そして無力感を強化するおそれがある。
 通常、彼らの怒りへの怖れにもっと直接的に関係するのは、クライアントには自分のものとは思われない、気づかれない怒りである。~~クライアント自身のために、怒りの体験を排除してくていた内的恐怖や自己規定をワークスルーするうちに、クライアントは、次第に自分自身の怒りや攻撃性を統合させていく。彼らは、いかに自己拒絶、自己嫌悪、および自己批判という形で自分の怒りをスプリッティングし、それを自分自身に向けていたかを実感するようになる。怒りや攻撃性に本来備わっているサバイバルのためのエネルギーを結合することは、とてつもないエンパワーメントになる。クライアントが自分自身の攻撃性を統合できれば、すべてのケースで彼らはより強く、より怖れず、そしてよりつながりを感じるようになる。~~

←引用終わり

引用者:kurage0147130:ここが核心です。自分の攻撃を内向きに持っていたのを、外側に向ければ力強さを取り戻せると。僕は図を描いたけれど、あれが実際に機能すればハッピーは間違いなしというご利益があると思う。

訳者である先生に、半額で譲って頂いて読んできた本だけれど、いよいよ最後のほうになってきました。全部読んだら、半額を出そうと思う。値切って読んだのでは失礼すぎるし。