抜歯入院2泊三日(親知らず)(がんの本:自分で治す・イメージ療法:)

親知らずの歯、入院して抜歯して頂きました。

 精神病院に入院して、独房に入ったことはあったけれど、医療病院に入って手術してもらったのは初めてだった。
 まず、バーコードと名前血液型の貼ったワッコを手首にして(リストバンド)、病院生活は始まった。2泊3日。今日帰ってきた。

 最初から母のための読書をするために、がんの本を持って行った。なぜか、スマホを忘れてネット村八分
 時間はたくさんあったので、読書は進んだ。

 ・がんのセルフ・コントロール、 カール・サイモントン/ステファニー・M・サイモントン、創元社、1982年

 本棚にあって、読んでみて、全部一度読んだ記憶がよみがえってきた。前の時は、図書館で借りて、気に入って購入したので本棚にあった。

 ものすごく明るくて、おもしろいほん。字は小さいし、人によったら硬いと言うかもしれないけれど、僕の感想はさっき書いた通り。お勧めです。ガンは自分のイメージでコントロールできる、と言うのが趣旨だと思う。受け身のガンではなく、当事者・自分でかかわっている癌に、自分の力で変えていけるというメッセージが主題。
 まじめな本なので読み進めるのに時間はかかるが、おもしろい。第12章の220pまで読んで、第18・19章も読んだ。あと、5章とちょっと。だいぶ読んでいる。
 昨日は絶食で、前の晩から24時間食わなかった。ポカリスウェットみたいな甘くないのは飲んだけれど、食べなかった。最後の1時間半がきつくて、読書もする気がなく、ラジヲを聞いて、早くご飯にならないかなとカウントダウンしていた。絶食の後の食事はうまかったけれど、手術を受けたので顎が痛く進まない。30分もかかった。
 担当医の先生は、前の日、朝、術後、今朝と4回も来て頂いた。忙しいのに僕の面倒も見てくれた。
 
 病院というところは、接客担当の方がいて、入院の世話をしてくれた。入院と手術の2人の女性に主に世話になった。夜の担当の方もいた。

 手術着に着替え、殺風景な手術エリアの通され、麻酔医のもと、眠らされた。麻酔の点滴で簡単に眠った。ギュウウウ・カカカーと麻酔がすぐ頭に効いた。意識を失い、僕の顔の上で、担当者5人のビジネスが繰り広げられた。
 はじめて手術エリアに入った。恐い感じだった。徹底的に現場という殺風景なメタル機器が並んだ機能に絞り込んだ場所だった。もっとよく見たかったし、写真も撮りたかったけれど、スマホ忘れたし、多分撮影禁止だと思う。遊ぶところではない。闘う場所という匂いがした。

 家に帰ってきたら、顔が腫れていて、宍戸錠よりほっぺたが膨らんだ。ひげ剃り忘れたので、2日間伸ばした。家に帰ったいまも、まだ剃っていない。
 清算して外に出て、生きて出られたと思った。閉鎖空間だった。ちょっと恐いところだ。がんで入院だったら、何倍も大変なところだろうと思う。同じ病室の方は話から(聴き耳立てた)がんらしかった。僕より年配男性。

 術前にシャワーを浴びて、昨日は顔を洗った後のタオルをもらった。自己主張も大事だ。

 母とやり合うための読書をした。本によると僕の母に対する前回の応答は最低で、「救助者」という良くない役割らしかった。今度謝っておこうと思う。まだ救助者を演じるかもしれないが。
 とにかく、自分でがんをやっつけるなら、有用な本だ。僕は買ったくらいだから、この本を信じている。だから読み返している。
 
 病室の窓から、明るくなる街を見ていた。どんよりと暗い朝から、精気が出て立体になって見えてくる夜明けを見ていた。街は太陽の光を反射して暑く滾って・たぎって 見えた。
 僕は病院を出ると、街の中へ吸収されていった。闘わせる毎日がおくられている場所。人間の街。

 昨日の夜気が付いたら、抜歯された歯の破片がビニール袋に入れられ置かれていた。手術人の戦利品。赤くなった歯だった。歯茎の下に横倒しで生えていた見えない歯。役目を終えた。