川島永嗣5:準備する力:角川文庫(交通機関で読めるぞ)

ピアニスト、二コラ・アンゲリッシュ : BS1NHK AM5:00 クラシック倶楽部で見た。


川島永嗣:準備する力 ー夢を実現する逆算のマネジメント 文庫改訂版 角川文庫

 僕にとってはものすごくよい本。僕は自信を持っていない。川島氏は中学生のころから才能に頼らず、コツコツ積み上げて能力を高くして、一つ一つ課題をクリアして積み上げて実力をつけ、不可能に思える目標を手に入れていく。そのプロセスが書かれている。ただ、具体的なハウツー本ではなく、アウトラインが示されているだけなので、自分のことで問題を解決したければ、スピリッツを盗み、川島氏の真似のように自分の問題に対しても課題クリアする方法を自分で見つける必要がある。そこは自分の力だ。
 ただ、川島氏ができるなら自分にもできるのではないかという淡い期待は抱かせる。川島氏は能力は高いと思われる。ただ、努力して全部掴んできた人なので、そのプロセスは読んでいて引き込まれるし、追体験できる。そう、川島氏の問題を通して、自分の問題も解決できるのではないかという錯覚は貰える。自分の問題でやるとなると、少なくても毎日対象と向き合い、続け、その中でノウハウを築くしかない。川島スピリッツをもらって、自分で頑張って取り組むことだ。肩ひじ張らなくていいと思うが。

 川島氏がこれだけ乗り越えてきたのだから自身はすごくあると思う。もちろん本にあるように折られたりしたが、それも乗り越え自信をつけたと思う。
 この本のいいところは、追体験させてくれること。一人のなんでもない少年が、どうやって壁を乗り越えたかアウトラインを追体験させてくれる(具体的な詳しい話は出ていない)。普通の一人の人・非凡だと思われるが、サッカーを通して、壁を乗り越え、一歩一歩掴み、切り開く姿を見せてくれる。一人の個人の視点で書かれている所が、オープンで、僕らに対するプレゼントで、お前にもその勇気があるはずだと教えてくれる。(実際には言わないが)

 僕にとって、川島氏の本と出合えたことは素晴らしい体験となっている。具体例はないけれど、すごくオープンだ。この人には、僕らに自分の実例を示すことで、僕らに後をついてこい、もしくはお前の壁を壊せと鼓舞する気持ちがあると思う。熱い意志があるから書かれたのではないのか。これだけ提供してくれる人はいないと思う。文章もうまいし、おもしろいし、熱くさせてくれるし、最後まで読みたいという気にさせてくれるグイグイ引っ張る力がある(文章力)、もしくは、やはりみんなに伝え共に生きている仲間として頑張って壁を超え夢を掴もうという意志だと思う。それを伝えたいのだと思う。温度のある本だと思う。素晴らしい。まだ途中までしか読んでいないが。