107(職業を内面で選ぶ:ダイア―)

李仁星の、今日見てきた絵が出ています。僕の好きな絵です。

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2015/09/16(Wed)_Wendyと僕 (恒例のダジャレのつもり)


 朝起きて、右手右足がしびれていた。巻き込んで寝るときは大抵調子が悪い。実際、もぐら交通機関の帰りにそのことがわかった。防戦した。



・ 今日はお休みで、日韓近代美術家のまなざし展を見に道立近代美術館に出かけた。

 印象は、最初から絵に躍動感があると感じた。みずみずしかった。最初の油絵10点くらいは、アースカラーで新鮮だった。

 その後の屏風掛け軸も、山がとてもよかった。大きい墨絵で印象深い。山がそこにあり、松も描かれていた。
 油絵では、崔禹錫だったと思った美しい女性の絵が、そこにその人がいるようでよかった。




・ この展覧会で一番印象深かったのは3-35 李仁星(1912-1950)の、黄色いワンピースの婦人像、1934年、水彩・紙、75×60cm、個人蔵 というものだった。



 最初見ていいなあと思い、2回目見て奥さんを書いたことがわかり、惚れているからいい絵なのかなあと思った。3回目見て、どうとも思わなかったけれど、色使いと塗り方をぼんやり見ていた。空いている館内なので自由に行動でき、見たいだけ見てきた。

 美しい女性ではない、おばさんになりかけている。僕はこの絵に何かを感じ吸い寄せられた。一番印象に残った。
 事故でなくなったらしいけれど、プレートの略歴を読んだけれどゴチャゴチャでわからなくなった。記憶力が悪い僕なので勘弁。インターネットで、秋のある日という絵を見たけれど、それもよかった。僕はこの人が好きなのかもしれない。ヴラマンクの絵みたいに(高橋三太郎展に1枚だけあった)。



・ 家で能の音楽(道成寺能楽囃子~至高の四重奏・ツタヤ宅配レンタル)を聞いて、すっきりした。浄化されるような逆回転するような、コンニャクの掃除みたいな感じだった。

 尺八(巣鶴鈴暮・尺八~巣鶴鈴暮~尺八の神髄・同じく)も聞いたけれど、20分以上あり、飽きた。尺八はかすれて漏れる感じがいいのかなあ。希望とか夢というのとは縁遠く、自分の死を受け入れる、身の丈を知る、老いて行く自分を自分のものとするという感覚とシンパシーが近い、古いjapanの心という気がした。僕には難しかった。




☆ ・100de名著 風姿花伝 世阿弥、土屋惠一郎、2014/1(駿河屋購入)
p40
 ~その限界の中でどうやってそれを乗り越えて、なおかつ花を咲かせるのか。そこにはもちろん、体力をつけることだけでなく、いろいろな花の咲かせ方があるでしょう。世阿弥が言っているのは、老いに向かっていく人生の中で、その時々の工夫をし、自分がどう生きていくのかを考えようということなのです。

p49
~それでも、本物の能役者であれば、そこに花が残るというのです。その例とし
p50
世阿弥は、観阿弥が五十二歳の時に舞った能の話をします。

~すべてがなくなったところに一輪の花が残っている。それはむしろ、この花を残すために今までのすべてのことがあったと言えるのではないか。


(kurage0147130):
 最後の花を咲かせるには、戦略的に早い段階で手を打たなければならない。先を見越して、種をまいておく。育てる、生きていれば花は咲くかもしれない。

 僕は明らかにいま転機にいる。今やることはすべて大事だ。時間も少なくなってきている。調子が悪いのが長くて、車内で本を読めないのが手痛い。大きな損失になっている。でも、防戦しなければならないので、コストを支払わなければならない。マイナス要因。でも、最近、頭にリーチが掛かる日がある。今日はダメでも、ダメにし切らないで、少しでも拾っていきたい。




☆☆ ・ 自分を創る、ウエイン・W・ダイア―、三笠書房、1983

p240、241
~自分の価値や目的意識を職業の外面的な型にはめるのなく、内面的にそれを楽しむという観点に立つことにある。価値を職業そのものでなく、働く時の内面的心構えによって認めるようにすれば、ある特定の職業を求めるようなことはしなくなるにちがいない。

(kurage0147130):
 すごいですね。内面的にそれを楽しむという観点で職業を選ぶ、僕の理想にしたい形です。トイレ掃除をしたいから、職業にする。クリエイティブじゃないですか。

 この本の最後の方に勝者という言葉があるけれど、これは完全という意味だと思う。完全は、p234・235に、同じ状態にとどまらない、自分を伸ばすことができるという意味らしいから。だからひるむ必要はない。僕は勝者という言葉が嫌いだ。僕が標榜するのは、弱者で、最初から負けでいいというか、あえて選択する立場を求めたいと思っている。


p245

 他人の意見や批判を無視し、自分の内面からの声に耳をかたむけることが、100パーセント勝者になる基本であることは確かだ。


(kurage0147130):
 僕なら日本舞踊の女形をやることだ。マイナーで穴に落っこち、偏見の立場に身をおくことが、幸せへの道だ。男を否定するのではない。自分の立ち位置をはっきりさせるのだ。僕が僕の人生の主人公で、世間ではない。僕は自分の前の道を進むのだ。ダイア―の口真似。