作業所/:::/ソフビ人形のピグモン説明文

作業所:



 作業所の部屋の隅っこにいる僕は、解体の着物の糸屑取りに広い作業スペースが必要でちょっとの間席を移動した。

 そのうち、僕にはもっと広いスペースが必要だ、と心で言いまくった。移動した席から離れて元の席に戻っても、今回の人事は違っている、僕はもっと広いところがいいと、勝手な主張を心の中で叫んでいた。

 午前中が終わり、皿洗いの時間になり、自分の主張を振り返っていた。もしボスなら、どういう責任の取らせ方をするか。僕は確かに調子が悪いから作業に集中できなかった。調子も悪くなる。これは僕が悪いからではないと、最初思ったが、よく振り返ると、ボスなら僕が原因で、どんな理由にしろ作業に集中しなかった人間に責任をとってもらう、というのが公正明大・こうせいめいだい だ。だからボスの側からみると、今回の人事は正しい人事だ。

 僕が責任をとらなけれならない。そのうち皿洗いも集中してやったので、弱い男として皿洗い、着物ほぐし(解体)にぶつかっていかないといけないと思った。作業に置いていくニュアンスの、碁石を並べるようなのんびりした動作は必要ない。ぶつかってぶつけて追い込んで集中する、動作を繰り広げる必要がある。

 ということで、やっていくと、何年ここにいるとか、みんなはいい人事だとかではなく、僕は新米の、初めて作業所に入った人のようにスタートラインにつく必要があると思った。ゼロからのスタート。このスタンスが、新しい人事の距離感として最適であると思った。最初からやり直しと。リスタート。もう一度スタートを切りなおす。

 そのあとは、割りとみんなの反応も良かった。隣の布草履の達人にも一言声をかけられた。このかた、よく見ていて、人を線引きする。間違っていると判断されると、お声はかからない。世間の人は良く見ていて、評価は正しく、ものすごくシビア。そんなものらしい。

 朝の公園での体操では、調子が良いとは思えなかったが、まあまあだったようだ。しばらくは着物ほぐし。それがまた、かなりきついやり辛いもので泣かせられている。何とかクリアしている。今やっているもののほかに1枚もらっているけれど、一着というべきか、それが少し楽だといいけれど、あまり期待できない。大変なら乗り切っていこう。最高の状態のものに仕上げよう。と都合のいいセリフを吐いてみた。

End.

ソフビ人形の付属カード品から
何の許可もなく引用:

 ウルトラ怪獣シリーズ:友好珍獣 ピグモン
身長1メートル 体重 10キロ

人間に非常に友好的な怪獣。その性質から人に危険を知らせたり、怪獣から庇ったり・かばったり することもある。

発売元:バンダイ
承認済み:株式会社円谷プロダクション

この文章は、引用させていただきました。勝手な引用で削除を求められる場合ご連絡いただければすぐ削除いたします。


引用者:kurage0147130:ピグモンが体長1メートルで10キロというけれど、これかなり軽くないか? 赤ちゃんでも3キロあるぞ。ピグモンて、赤い毛と赤い腹なので、実質部分は小さいのか。そしてスポンジのようにできているのか? そうでないと軽くならないぞ。指摘ではなく感想。