裂き織り2 最後に追記ありSP

 今日は、テーラーSG氏に刺されそうだった。思い過ごしか。

 テーラー氏は僕の去年の一本一本バラバラの端止めしていない裂き織りまがいのものをバッグに仕立てた。ものすごく神経と手間のかかる面倒なことをさせたことになる。ご立腹だったと思う。なぜか踏みとどまったようだった。

 裂き織りですが、昨日の配分で、5割神経を使い、4割目を詰める体力と気合で、1割色遣いと選びで行った。めくるめく能官(←)の世界で、エマヌエル夫人のようだった。(ちょっと違うような

 とてもエネルギーを注ぎ込み疲れた。交通機関では伸びを行った。なんだかとても疲れのどが渇き、スーパーで500ミリリットルの水を買い、半分をその場で飲み、半分を帰宅後に飲み干した。それだけ僕は自分を十全に使い切ったと言える。とても充実していた。天職ではないのかと思った。布草履の達人がそうで、テーラーSG氏が仕立ての技術で、僕はこれが性に合っている気がした。

 最初は、アドヴァイスをくれた人が楽しくなってこない、やる気が出てこないか、みたいなことを言われ全然と答えた。その後、一本一本バラバラの今日のテーラー氏を煩わせたのを行いボスの顰蹙を買い、その時に、目を飛ばしてボスに布を引っこ抜かれた。ボスはご立腹だった。(今日のテーラー氏は怒ってはいない、このヤローとは思っていたようだった)

 長い時間をかけて軌道に乗った。僕は今日、全精力を傾けた。黒い布、ちょっと黒い布とグラデーションをかけその間に明るい色をはさみ、また黒い布。暗闇の勢力と光の帝国のせめぎ合いだ、などとチラと思いつつわけのわからない喩で・たとえで織り込んだ。ぐいぐい引っ張って目を詰めた。男の裂き織りと調子のいいことを言いたいが、僕は腕が細くヒョロヒョロしているので、女性よりはか弱いかもしれない。体力気合も込めた。

 2日間調子が良かったが、明日あたりから下降してまた地面を這いずり回ると思う。調子は一巡すると下がるように僕の場合はできているので、明日あたりから期待できない。
 今日は布選びに困らなくて、次々思い浮かんだが、調子の悪い時は全然思い浮かばないものだ。去年経験した。調子の悪い日は全くダメになる。

 いつ死ぬかわからんが、せいぜい頑張っておきたい。Thanks.


追記:SP

 そういえば、僕は作業所に通っておられた手芸の先生:80歳を過ぎておられるようだった先生のおかげで織りを覚えた。

 先生は、僕が一本一本切って、杼・ひ に縛っていたのを、2・3回巻いてその分でやるといいよとアドヴァイスをくれた。その教えに従ってやってみると、布の分量の太さがちょうどよくなり芸術品のようなのが去年出来た。先生にすべて習った。僕は先生のおかげで裂き織りへの展望を頂いた。ちょっとできるかなと言う感触を持てるようになったのは全部先生のお膳立てだった。先生のおかげで織りをやれるようにして頂いた。もう先生は来られなくなったが。

 最初先生は、金の糸をもう一本の糸と一緒に織るよう言われた。コースターで2度目の課題だった。僕は全部絡まないよう順番通りに神経を使い、その時の僕のできるすべてで織った。先生は恐いと思った。

 また、先生のお土産のまんじゅうを頂いて、その時僕は絶不調だったのだけれど、頂く時にブチッと潰して頂いた。先生は見ておられ、なんて変な奴だと思われたようだった。でも許してくれた。

 交通機関では、降りるとき挨拶して降りた。その時から先生と近くなった気がする。
 モラに先生の青春を賭けていたように思った。すてきなバッグのデザインを作り縫製に出されてできたそうだ。僕は見せて頂いた。また、先生のストール、素敵な糸と織りでさすが先生だと思った。咲き織りの機械の操作は先生に仕込んでもらった。先生、ありがとうございました。またご縁があったらお会いできると思います。先生もお元気で。

<おわり>