本郷新記念札幌彫刻美術館 / カウンセリング(鎧・甲冑を着る 男らしさ) 

・〇 はるばる本郷新記念札幌彫刻美術館に行った。

本郷新 哭 本郷新記念札幌彫刻美術館
哭 1978年頃 1958年のものを再制作

本郷新 哭 本郷新記念札幌彫刻美術館
哭 1978年頃 1958年のものを再制作

 正面は手ブレだった。横向きの写真のほうが良い。この作品、現代彫刻でも通じる気がした。手で顔を覆い、出口のない苦悩を手で顔を覆いうなだれる姿で表現されている。すごくポップで惹かれた。自分の苦悩も仮託できそうだった。哭。




本田明二像 本郷新 1974年
本田明二像 本郷新 1974年

 本田明二像は、一目見て好きだった。キャプションを読むと本郷新の友達だったとか。友達を愛する気持ちが入っていて、僕も惹かれたのか? 人を愛する気持ちの良い部分が表現されていると感じた。




奏でる乙女 本郷新 1954年
奏でる乙女 本郷新 1954年

 丘を登っていくところにある像。奏でる乙女。写真でアップの写真を見ると、女性の顔の表情が凛として清楚で素敵だ。ギターを弾く女性というのも清々しい。弾くという行為に魂を込めている姿は、音に心をのせていて聞いてもいる姿に気持ちのよさを感じた。


 本郷新の彫刻は、外に設置するため、巨大な女性像や男も展示されていたが、僕が惹かれたのは小さいものだった。人間の体を勉強し、独特のポーズをとらせる本郷新の彫刻は素晴らしいものなのだろうが、僕にはわずかしかわからない。立体を彫刻、作り出す人というのはすごいなあ。





・〇 カウンセリングに出かけた。地下室の男のパーツに会いに行くという、自分の部分とコミュニケーションを取ろうという趣旨と理解している。先生に診ていただき導いてもらった。

 地下室に降りていくと、鎧があり、暖炉もあった。暖炉はガスか何かでできているらしかった。先生は暖炉についてみていこうとされたが、僕は鎧に興味があったのでそちらについて取り上げていただいた。
 鎧は西洋の甲冑で鉄というか鋼というか、金属でできていて、身に着けることになった。それを身に着け、勝ってくるぞと勇ましく、と軍歌のように歌いポーズをとってみた。左手に盾を持ち右手に剣を握った。
 僕は普段から自分のイメージに弱弱しさしか感じず、小さいイメージを持っていたので、先生の導きで鎧を着て、守られ、武装し力強く戦うポーズは男のパーツというのにふさわしかった。それを着て感じて、身に着けることで男らしくなるらしかった。まだ照れと距離感を感じたが、自分に力強さに憧れたり、身に着ける部分があるとは思っていず、鎧と出会ったこと自体が不思議だった。心に出てくるイメージというのは不思議で、先生の導きでそれを身に着け、動いて、ポーズをとり、歌い、鎧という男の部分を自分の身体とみなす不思議な治療だった。

 こういう機会を先生に持たせていただいて有難かった。カウンセリングという行為は、治療でもあるのを実感させていただいた。治療の部分は先生がいないとできないだろうと感じた。イメージとの付き合い方を先生は心得ていて、治療にまで高めていただいた。今回のようなカウンセリングを繰り返すと回復するだろうという実感を感じた。ありがとうございました。