mother4

追記



 母は、父の借金の返済は役所の弁護士に相談してからにすると、そこだけはしっかりしていて安心した。料理を作ったり、父の薬を飲ませるのをやらなくなったが、損なわれたところはあるが、まだ使えた。頼むよ母さん。

 昨日は母の意識が低下していた。

 母が車の証書を僕が取り上げたのはどうしてだと聞いたので、はぐらかした。車のカギはどうしたと聞くので、男がとったのではないかというと黙っていた。今日は少しはましみたいだ。


2017/10/28(Sat)

 昨日ホテルへ行くとき、駅までタクシーで行き、そこで乗り換えたいと母が言ったのは、全部漏れ聞こえていて、男に筒抜けだからそうだ。男は夜の、この間母と寝た気持ちの悪い男で、その男はちょくちょく人のいない間にやってくるそうだ。


 今日は、昨日から泊りに行った地元のホテルに母を迎えに行った。母は、金魚の糞みたいについてくるな。守ってやるみたいなそぶりが気に入らんなど、僕を非難した。嫌いだみたいなニュアンス。僕の頭がおかしいというニュアンスだった。別々に帰った。


 家に着いて、母が昨日から言っている電話の話は皆に聞かれている、みんな私を認知症のように扱うとか、非難するなどと言った。車証を取り上げたのはなぜだと迫った。僕は運転されたら困ると思い、母が銀行へ行ったとき取り上げておいてある。前にも書いたけれど車のカギは皆隠した。販売所にも電話して合鍵を作らないよう頼んだ。


 昔の母とは明らかに違う。損なわれてしまった。もう昔の母には会えないのを感じる。輝きが消えたように。母は違う国へ行ったかのようだ。

 母はずっと父の介護をしてきて、家を出たかったのだと思う。だからホテルへ行った。秘めた願望だったと思う。旅行もしたいよねえ、皆がうらやましいよねえと僕に振ったので、僕も行きたいなあ、うらやましいなあと答えた。これは僕の願望だった。


 母は僕が冷たいと責める。いたたまれない。母といるのは苦しい。僕は、作業所でいじめられて悲しいとうそを言った。それは通った。母は信じているようだ。母は被害者意識がものすごく強い。父と似てきている。楽しいわけがない。でもここが正念場か。今日は午後、家の雑務をこなした。