欲しくないといったけれど、嘘だった。

 作業所に、僕と同じ立場の女性がいる。同じ立場というのは、自分の場所が定まらず危うい立場という意味です。

 その女性が、先輩女性と口げんかしていた。先輩女性は成熟しているので他の人の精神状態が分かってしまう。そこを見透かされた格好の口げんかだと僕は思った。

 
 その女性の口げんかを見ていて思ったのは、その女性は不満を持っている。どこに対してかはわからないけれど不満がある。

 そこに僕は自分と同じ構造を見た。





☆☆ 不満を持つ人は、その人のどこかに課題を持っていて、その課題を乗り越えなければならない。その課題があるゆえに周りから突っつかれる。だからまた不満になる。でも、こう書いていてわかると思うけれど、その人は課題を乗り越えなければならない。でないと袋小路から出られない。これはその女性を見ていて思ったこと。


 だから僕にもそっくりその言葉を向けられる。僕は不満を持っている。だから乗り越えなければならない課題がある。袋小路から出るためには、課題と向き合い解決しなければならない。今の僕にとっての課題は自分の男と、周りの女性。







 僕は若い女性がほしかった。なのに好きでないとか言った。それは大嘘だ。

 若い女性がほしいといっても、叶えられないので結果を先取りして、欲しくないといっている。あの柿うまそう。大木の枝になっていて手が届かない。食えないからまずいというのと同じだ。本当は食いたくてしょうがない。欲しくてしょうがない。でも手に入らないならまずいと言おうとしている。


 僕は若い女性がほしい。たわわに熟れてなっている。僕は欲しい。でも無理だろう。ここが屈折しているところ。だからその女性が欲しくないと言い張る。これが僕の構造。

素直に欲しい。でも無理かもね、というくらいに言えばいい。それが自分に対する手向(たむ)けだ。(縁起の悪いことを言おうとしているのではないです。言いがかり上、そういう表現になった。)