専門料理 道場六三郎、銀座ろくさん亭

専門料理 2017/4、「料理界を生き抜くための三〇の言葉」、柴田書店、1400+税

道場六三郎、銀座ろくさん亭

p26-27

引用:


「 ~私は今でもたまに考えるんです。「エリザベス女王が最後の日本訪問にいらっしゃったとする。自分ならどんな料理でおもてなしするだろう?」、「もし魯山人が食通の紳士を連れて食事に来たら、何を作ろうか?」って。そうやって日頃から想像力をふくらませておけば、いざという時に臨機応変な対応ができるようになるんです。。



 料理に関して言えば、「食材が主で、調味は従」。これがすべての基本だね。鯛の料理を作るにしても、「俺の味つけで鯛を超える味を出そう」なんて了見を持っちゃいけない。調味は七分で抑えるくらいがちょうどいいんじゃないかな。そのうえで、食べ手のことを考えて料理を仕立ててほしい。



 たとえば、歳を重ねると口を大きく開けて食べるのがつらくなってくるんです。すると口の中に大きな空間ができないから、充分に味が広がらず、何を食べてもおいしくないなんてことになる。でも、ちょっと小さめに切ってあげるだけで、ちゃんとおいしく食べられるんです。作る側は、そんな思いやりをもって料理してほしいね。

~」





引用者:「この部分は、料理人として身を立てるために必要なことは? という質問に答えられた内容ですが、刺激的で、想像力があり、頭が柔らかくなります。僕は料理人の方から学ぼうと思ってこの本を買いました。しっかりした本(雑誌)だと感じています。」