Thursday, November 05, 2015
茶の本・岡倉天心、大久保喬樹 訳、角川ソフィア文庫 ビギナーズ日本の思想、2005
読み終わったのだけれど、茶の本、東洋の理想は、教科書的で印象に残らなかった。僕の理解が浅いせいだと思う。
この本で面白かったのは、付録の最後だと思う、かなりのページ数があります。
エピソードと証言でたどる天心の生涯、
の部分。
ここはすごく面白かった。天心が九鬼周造のお母さんと不倫して、その周造の父である男が天心の上司。終生、天心と上司である周造の父とは仕事で関係を持ち続けている。周造のお母さんは、病院に幽閉されて何十年か出られなかった。この暗く悲惨な話、晩年の天心の死が迫る暗さ、すごく感じ取るものが大きかった。
この章には、訴えるものが大きく影響を受けた。ここだけでも、また読み直したいと感じた。いろんな人の引用も多かった。それだけ楽しめた。奥行きが深い天心の生涯だった。大久保さんの文章でオリジナルなのだと想像しているけれど、よくわからない。